普段は【日総ぴゅあ】という会社に在籍しているサラリーマン。
がしかし、私にはもうひとつの顔が存在する、それは、
試食マスター!
土曜日の17時にJR某駅のダイエーに決まって現れ、
買い物をするわけでもないのに台車を押し、隅から隅まで
試食をし尽くし、【試食案内レディー】達を震え上がらせる。
土曜夕方のダイエーは、『簡単調理食品』『サラダ』『鍋』『牛乳』
『ヨーグルト』『肉』『加工肉』『刺身』などなど、試食の宝庫。
長期休暇前でもあろうものなら『さつま姫牛』のステーキや
すきやきまでもが試食に並ぶほどだ。
そして、最大の激戦区が『加工肉』コーナー。
どこのスーパーでもやっているであろう、ウィンナーや
ナゲットなどの試食コーナーだ。
試食台の前に群がり、動こうとしない頭の悪そうな子供達。
普通の大人なら、この段階で諦めてしまうことだろう。
がしかしここで恥ずかしがっていたり子供に気を遣っていては、
今の世の生存競争に勝ち残ることはできない。
「人はいつから、諦めや妥協を覚えたのだろう・・・
大人はこんなもんだと自分自身に言い訳をし、楽な道を歩む・・・
そして後になって、こんなはずではなかった、俺はそういうつもりじゃなかったと
自分で諦めたにも関わらず他人のせいにし過去を悔やむ・・・
そんな人生、俺はまっぴらごめんだーーーっ!!!」
などと心の奥で熱く叫び、
大人の力と身体のでかさを最大限に利用し、ハナタレ小僧達を
力任せに押しのけ、試食台センターをキープ。
そしてすかさず爪楊枝を右手にとり、照準までのブレをなくすため
肩から肘までは固定。肘から先の動きのみで標的を素早く一刺し!
この技の習得には、長い年月と血の滲むような訓練が必要であった。
私は、いつ、なんどき、どんなところでも、一刺しで2つのウィンナーを
串刺すことができる。
が、この技を使うには、同時にかなりの苦痛を伴う、それは・・・
直後に、【試食案内レディー】と【ハナタレ小僧の親】に白い目で
見られるという精神的苦痛を・・・
よいこはマネしないように。
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