当時の会社に、年配の事務員がいた。
名を西ノ首(仮名)といい、年のころは四十代後半で、
かなり態度がでかい傲慢女。
というか今考えると、「なぜそこまで偉そうにできる」というくらい、
豪傑な女だった。
思うに、関羽雲長よりも張飛益徳よりも豪傑だったと思う。
そんな西ノ首(仮名)。
週末は会社に内緒で(というかみんな知っていて暗黙の
了解だったが)街からちょっと離れた、立地の非常に悪い
スナックでバイトをしていた。
私と他同僚2名は、入社間もないこともあり、金曜日の
夜になると、売り上げ要員としてそのスナックに来るように
西ノ首(仮名)に命令されていた。
なぜ一事務員にそんなことを命令されなければならない
とは思いつつも、この豪傑女と戦う武力は持ち合わせておらず
仕方なく店に通っていたのだった。
この店には、西ノ首(仮名)のほかに、水木しげる真っ青の
ママ【ヨーコ】、それに体重100kgはゆうに超えているであろう
アルバイト【ミカ】3人が在籍していた。
・豪傑西ノ首
・妖怪ヨーコ
・関取ミカ
確認しておくが、全員が四十代後半である。
当時の私の年齢から考えると、母親といってもおかしくない年齢。
スナックというより、何かのアトラクション状態です。
そして、ヤツらは客商売をなめている。
好き勝手に酒飲みやがって、リクエストをしたわけでもないのに、
自己満足で勝手にカラオケを唄いやがる。
しかもいつの世もそうだがババアは、唄う歌が毎回同じ。
妖怪ヨーコ ⇒ 高橋真梨子【for you】
※人に顔近づけて「あなたが欲しい~、あなたが欲しい~」
と唄うのがかなりウザイ
豪傑西ノ首 ⇒ 河村隆一【Love is...】
※歌詞を覚えているため常に目を閉じ自己陶酔で悩ましげに
唄うのが人を不愉快にさせる
これを金曜日の夜、毎週聞かされるのだ。ほとんど拷問に近い。
で必ずといっていいほど、飲み始めて2時間後くらいにチーク
ダンスを踊らされる。
平成の世でチークダンスってだけでも???なのに、何気に
一番辛いのが、ダンス中ヤツラの口臭に耐えなくてはならないことだ。
しかもこの妖怪ヨーコ、一度ドサクサ紛れに、この臭い口で
キスしてきやがったことがある。
もうどっちが客なのかよく分かりませんが、帰り際にはしっかり
金を取られます。
こっちが金貰いたいくらいだ!
私は「地獄に落ちろ」と思うと同時、本気で岐阜という街が
心底嫌いになりました。
今思うと金曜日の夜だというのに、他の客をほとんど見たことがない
不思議な店でした。
ま、当然といえば当然ですけどね。
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